快適生活塾ブログ版 ~ファイナンシャルプランと日進市のナビゲーション~ 
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ファイナンシャルプランナーの考える“この国のかたち”  (3)子作り・子育ての安心

2005年の出生率は過去最低の 1.26 となりました。将来推計では2055年に日本の人口は8,993万人、65歳以上の高齢化率が40.5%(現在20.2%)になると予想されていますが、私は、この少子化への対策は結構簡単なことだと考えています。

【少子化対策案】
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児童手当などを拡充して子作り・子育に対する経済的な安心を提供する
 18歳以下を対象とし、1人月1.5万円を支給。第3子以降は月2万円。
出生率統計のまやかしをなくし、正しい数字を使用する
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少子化の原因としては、未婚化・晩婚化の進展や子育ての経済的なコストの大きさ、収入の不安定化、保育サービスの不備など様々なものが挙げられますが、ここではその対策として国による経済的な支援について考えてみたいと思います。

出生動向基本調査(2005年)によると、夫婦の理想とする子供の数が2.48人であるのに対し、予定している子供の数は2.11人となっています。
この差の理由としては、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が65.9%のダントツ1位で、2位以下の「高年齢で産むのがいやだから」(38.0%)、「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」(21.6%)を大きく上回っています。
子供の教育費だけでも1人1000万円以上はかかりますので、これに食費や医療費、子供部屋の確保などを加えると子供2人以上を育てるのには大きな経済的負担が発生します。

実際、我が家の子供は2人ですが経済的に負担がなければ、3人いたほうが兄弟のバランスが取れていいなと思っています。また私達のFP事務所に家計診断に来られた方の中にも「2人目を産むと家計が苦しくなるから、1人にしておこう」と言われる方もいます。

上の統計から試算すると、経済的な支援をすることによって、
 ((理想)2.48-(現行)2.11)x65.9%=0.24人
 の出生率の上昇が期待できることになります。

 
○各国との比較

では日本の子供に関する国の支出が充分なのかどうか、OECD諸国と比較してみましょう。

・児童手当

フランス 第1子 0円、第2子 約1.8万円、第3子以降約2.3万円
     対象:20歳未満
スウェーデン 1人当たり約1.7万円(2人以上割増)
     対象:学生の場合19歳まで
イギリス 第1子 約1.7万円、第2子以降 約1.2万円
     対象:学生の場合20歳まで
アメリカ 児童手当はないが、約11.7万円(月1万円)の税額控除
     対象:17歳未満
日本   第1子、第2子 0.5万円、第3子以降1万円
     対象:12歳まで
 ※資料:「海外情勢白書 世界の厚生労働2004」(厚生労働省編)

・家族関係支出(児童手当、出産給付、就学前教育など)の対GDP比(2003年)

フランス   3.02%
スウェーデン 3.54%
イギリス   2.93%
アメリカ   0.70%
日本     0.75%(3兆6772億円)
 ※資料:OECD Social Expenditure Database

このように、日本の子育てに対する国からの支援は、かなり低いレベルにあると言えます。
 (逆に、欧州各国がいかに家族政策に力を入れているかわかりますね。)

一方、何かと批判の多い公共事業の対GDP比(2002年)では、
フランス   3.1%
スウェーデン 3.3%
イギリス   1.3%
アメリカ   2.5%
日本     4.7%(23兆916億円)
 ※資料:OECD , National Accounts of OECD Countries, Volume.Ⅱa・Ⅱb, 2004

となっており、予算配分を変えることによって日本の家族政策・少子化対策を進められると思われます。

まずは、児童手当の増額や、多くの国で当然に実施されている高校教育の無料化、大学授業料の援助・値下げなどで子育て費用の負担を抑えることによって、出生率の10%UPは充分可能でしょう。

出生率統計のまやかし

「出生率統計にまやかし(インチキ)がある」というのは言い過ぎかも知れませんが、出生率(女性が一生のうちに産む子供の数)が1.26人というのはどうでしょうか?
  みなさんの感覚に合いますか?

実際45~49の女性は(未婚者も含めた)平均で1.91人の子供を産んでいます。まだまだ出産の可能性のある35~39才の女性でも1.48人です。

では、この1.26人と1.91人の違いはどこから来るのでしょうか?

一般に使われている1.26というのは、「期間合計特殊出生率」という指標で、その年の各年齢の女性の出生率を積み上げていったものです。この場合、晩婚化・晩産化が進む状況では数字が低く出てしまいます。

(例えば5年前の統計時には25歳で子供を産む女性が多かったが、今回の調査では30歳で産む女性が多くなった場合、現在25歳の女性はまだ子供を産まないし、30歳の女性は既に産んでしまったので、出生率が低くなる。)

一方の1.91の指標は、「コーホート合計特殊出生率」で、ある世代の女性が49歳までに産んだ子供の数です。こちらの方が漏れなく現実を現していますが、その世代が50歳になるまで出生率が確定しないこともあってかあまり取り上げられていないようです。

しかしながら「期間合計特殊出生率」の1.26という数字は現実を表さない意味のない数字ですので、出生率をどのように考えればいいのでしょうか。
私は最初に取り上げた「予定している子供の数(現在の子ども数+追加予定子ども数)」が使えるのではないかと思います。

 出生率 = 「予定子ども数」× 結婚率(1-未婚率)

この式を使えば、
 (2.11人+0.24人増加)×(1-0.14)= 2.02

となり、未婚率が14%を超えなければ出生率が2以上となります。(ちなみに2000年の50~55歳女性の未婚率は5.3%です。)

まぁ、そんなにうまく現実の出生率が2以上にはならないでしょうが、正しく統計の数字を用い、まずは有効な手段である「子育てへの経済的な支援」を早急に実施することが重要です。

(参考)
合計特殊出生率について
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai05/sankou1.html
平均理想子ども数と平均予定子ども数の推移
http://www.ipss.go.jp/syoushika/seisaku/html/112b1.htm


テーマ:これからの日本 - ジャンル:政治・経済

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